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コロンビア進出のメリットとデメリットをMakotohirairi SAS、代表平入誠さんに聞く

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職種: 専門・技術サービス業,卸売業,小売業

今回はコロンビアのボゴダで、2013年から日本食材の輸入販売を手がけているMakoto Hirairi SASの平入誠さんに、コロンビア進出のメリットとデメリットについてお伺いします。

コロンビア、ボゴダの街並み

------平入さんのご経歴を少し聞かせて頂けますか?
はい、コロンビアには2013年にやってきました。静岡茶と日本食普及が目的でした。立ち上げ当時はお茶一袋販売するにも非常に苦労しましたが、今はようやく現地にも浸透してきています。法人の立ち上げから、食品販売の法令や労働法規など、一から学んできましたので、皆さんのお役にたてると思います。



------ありがとうございます。コロンビアについても簡単に教えて頂けますか?
コロンビアは中南米大陸の最北西端に位置しています。ブラジル、パナマ、ベネズエラ、ペルー、エクアドルと国境を接しています。人口は日本の約40%ですが、国土は3倍ほどあります。日本語は全く通じませんし、英語もほとんど通じない国です。コロンビアでは、一般人だけでなく、空港や県庁でさえ英語が通じないことが多くあります。
現在コロンビアは、年間約6%の経済成長を見せており、富裕層が増え始めています。富裕層が増えれば車も増え、3年前に比べても交通渋滞が非常に激しくなったと感じています。遅延どころか事故もないのに動かないということも当たり前です。また、最近では環境への配慮も始まっています。
首都ボゴダはとても空気が汚染されており、特定の日は自動車を禁止にして自転車にしようという動きもあります。こうした環境への配慮をする企業に対する優遇税制も整えられつつあります。



 -----コロンビアの治安はいかがでしょうか?
コロンビアは、残念ながら日本と比較してまだ安全とはいえない国です。コロンビアでは街中で日常的にスリなどがあり、私も銃を突きつけられ身包みをはがされた経験がありますし、スタッフも同じような経験を持っています。
外国人が行く観光地になると、警察官も多いので安全ですが、治安を心配される場合には、あまり向いていないかもしれませんね。昨年、コロンビア政府と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」の間で和平交渉の最終合意に至るなど、以前よりも安全な国に向かっています。



----------日本との貿易は盛んに行われているのでしょうか?
日本には対して輸出は、やはりコーヒーが最も多く、それ以外にはバラやカーネーションといった切花も、日本だけでなく世界中に輸出されています。日本からの輸出ですが、自動車、電気機器が中心です。私の販売しているお茶や日本食材の販売はほとんどありません。



----それではコロンビア進出のメリットについて教えて頂けますか?
メリットは率直に言うと競争相手がいない、ということです。先ほども触れましたが、コロンビアには、まだほとんど日系企業が進出していません。(車、電気機器以外)例えば、私の知る限りでは、日本人会計士や弁護士はコロンビアにいません。このように、まだまだ進出していない業態が無数にあるということです。長く滞在している日本人は商社の方が多いですが、通常ですと3年ほどいれば日本に帰国してしまい、定住者はわずかです。
また日本人のコミュニティも小さく、日本食レストランなどは同じエリアで仕事をしないように気を使われてる方もいらっしゃいます。また噂もすぐに広まるので、何か悪いことをしたりすると、その地域での助けを受けられなる可能性もあり、閉鎖的な側面も持っています。
もうひとつのメリットとしては、富裕層が増え始めている、ということでしょう。私が取り扱っている緑茶は日本より2倍近い値段で販売していますが、それでも良く売れています。また健康に対する意識も高まっていて、日本食はブームになっています。



 ----それでは、逆にデメリットはありますか?
デメリットというよりも、これは進出時に注意するべきポイントになります。
日本人がコロンビアで事業を始める上で最初の関門が、労働ビザの取得です。実は、1年目の労働ビザはすぐ取得すること可能です。ですが、2年目以降の労働ビザの更新時に、その事業を続けられるかどうかの審査があります。一定基準以上の資本金、取引額を出していない企業は、ここで労働許可がおりず会社をたたむことになります。ですから、2年目以降を見越した準備が必要です。私の場合は、コロンビアに子供もいたということが幸いして、この制度には該当しませんでした。今は、3年半コロンビアにいてようやく軌道に乗せることが出来ました。



----なるほど、進出をしたから一安心ではなく、1年目である程度の結果を出す必要があるのですね。
次に注意すべき点としては、取引先の支払いの悪さがあげられます。
私も商売を始めた当初、1ヶ月を期限に切っていた請求書に対して、支払いまで5ヶ月以上かかったことがあります。驚くかもしれませんが、これは本当に文化的な面が強いと思います。今では軌道に乗り始め、こちらで取引する相手も選べるようになった分、強気に取り立てることが出来ますが、初めて来る日本人は戸惑うかもしれません。
この点も、1年目の難しいところで、売り上げの回収が出来なければ運転資金がショートしてしまうことも考えられます。



 -----支払いが遅いというのは、日本ではあまり考えられないですね。
もうひとつが、意外に思うかもしれませんがコロンビアでは、労働者が法律によりしっかりと守られています。例えば、経営者が労働者を首にする場合、例え労働者が悪かったとしても、経営者はその労働者に対して、1ヶ月分の給料を保証しなければなりません。ですから、労働者を雇用する場合には労働法について、良く理解しておく必要があります。
また、年に2週間程度のバケーションを取得する(与える)義務があり、急用があっても担当者が長く休みをとっていて話が出来ない、ということは少なくありません。日本のペースで仕事をしようとする方には馴染みにくいかもしれませんね。
最後に、税制の改革など法律の採択が早い、変更が多々あるということです。日本の場合は、あらかじめ何度も告知を行い施行する、というのが普通ですが、コロンビアでは気づいたら始まっており、専門家でもついていけていないことすらあります。ですから政府機関に何度も電話をして、本当にあっているのかを確認したり会計士、弁護士と話したりしています。

---------------日本のように、親切に教えてくれる環境ではない上に、サポートしてくれる人もまだまだ少ないという現状があることは不安要素ですが、ただその分、チャンスが広がっているということですね。ありがとうございました。



 コロンビアへの進出については、立ち上げから労働法規まで全て経験しています。少しでもコロンビアに興味のある方がいらっしゃれば、最大限ご協力いたします。是非お気軽にご相談ください。

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