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書道・習字

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  • コラムサムネ

    書道・習字

    2017.12.13

    「印は、信なり。」(『印者、信也。』-蔡邕『独断』の言葉)
    印章は、自信を証明するIDとして古来より長く人々の生活の場で使われてきました。日本では今日でも、契約や証明書などの文書作成において印章は必要不可欠であり、押印は公私の場において本人の証として機能しています。また、中国を起源とする書画作品の落款にも印が用いられます。書画作品において、押印は黒白の作品に花を添え作品全体を引き締める効果がありますが、それは同時に作者がその作品を『作品』として認めた証でもあります。そんな身近な印章をお洒落に拵えるのが【篆刻(てんこく)】です。

     

    ■篆刻とは
    篆刻とは、印章を作成する行為を指します。
    篆書を刻して印を彫ることから“篆刻(てんこく)”といいます。

    「篆書(てんしょ)」とは、
    物の形を象った象形文字の様相を残す漢字の最も古い書体です。
    現在では、専ら印鑑の文字に使われている書体です。

    私は、実用の印鑑と篆刻による印を区別しています。

    実用の印判は、仕事の上でや公的な場で用いるものであり、
    作品として特定の意匠を盛り込まず、偏りなくオーソドックスに作られるものです。
    実用印を専門に制作する人の事を「印判師」といいます。

    これに対し、篆刻の印は、趣味や日常生活の中で私的に用いるものです。

    たとえば、
    お手紙を書いて印を添えたり、
    大切な本に蔵書印を押したり、
    書画の作品の落款に用いたり・・・。

    ですから篆刻の印には、
    使う人のイメージに合わせて自由に意匠を盛り込むことが可能です。
    篆刻を専門とする人の事を「篆刻家」といいます。 

    私はわかりやすいよう、実用印を“ハンコ”、篆刻の印を“印”と称しています。
    また篆刻による印を“雅印”や“遊印”などと称して、実用印と区別することもあります。

    ********************

    伯 豊 道 人 Hakuhou Doujin

    ・東京学芸大学 書道専攻 卒業
    ・東京学芸大学大学院 表現教育コース 修了 
    ・日展入選作家
    ・全日本篆刻連盟 評議員
    ・謙慎書道会  評議員 他

    【ご連絡先】 yuukikawauchi1983@gmail.com

  • コラムサムネ

    書道・習字

    2017.10.26

    あなたの書いている文字が活字に洗脳されている、と思ったことはありませんか。

    実は現代人の書く文字は活字に洗脳されていて、本来の文字の美しさを失っているのです。きれいな文字を書きたい人は、ここに着目して文字を習うと
    、めきめき上達すると思います。

     例えば『 春 』という文字を書道辞典で検索して、その形を見るとおおむね三角形に見えますね。
    しかし活字は四角形に作られてはいないでしょうか。
    『 春 』本来の文字は横面三本を短めに書き、左払いと右払いをのびやかに引いて、この二つの収筆で、唯一この一か所で文字の幅を決めることによって、三角形にまとめているのです。

     このように、本来の文字の字形は國構えの文字(国、圀)以外、四角形の文字はほとんどなく、菱形であったり、平行四角形、台形、逆三角形など
    その文字固有の字形を持っているものです。
    この各文字の基本原則を、習う立場、教える立場を超えて、認識して頂きたいのです。
    活字は、その使用目的から、本来の文字の字形を変えて、意図的に四角形に作っている、というのが私の見方、これは長い間の書写指導経験で見つけ出したもので、あなたの文字は活字に毒されている、と指摘してきたものです。

    これが文字の美しさを損なう大きな要因なのだと私は考えています。

  • コラムサムネ

    書道・習字

    2017.09.22

    ―内藤香石の依頼印―

    篆刻を専門にしていますので印材のストックは意識して行っています。印材を求めに中国へ行くこともあります。
    最近は、たまにインターネットのオークションで印材がまとめて出品されていて、値段を検討して購入することもあります。稀に購入した印材の中に篆刻作家の刻印が混ざり込んでいることがあります。今回はそんな経緯で筆者の寒斎に集まった3顆の印をご紹介しましょう。
                          

    ①「清」


    「清」朱文印。13ミリ角。寿山石。側款「香石作」。                                                                                      
    金文調の造形を含んだ斬れのある線質です。
           

    ②「豊」
     

    「豊」朱文印。18ミリ角。青田石。側款「香石
    作」。       
    小篆の細朱文で繊細かつ、キリッとした張りのあ
    る線で構成されています。


    ③「永井忠治」/「乙卯九月香石作」

                              
     「永井忠治」白文印。25ミリ角。寿山石。側款 
     「乙卯九月香石作」。約2000年前の漢時代の印に
     見られる「満白」という字の点画をギリギリま
     で太く表現する作風に倣った作です。側款の「乙
     卯九月」は1975年(昭和50)、内藤香石68歳
     の作と判明しました。



    内藤香石(1908~1986)は明治41年山梨県に生まれます。前回号で紹介した小林斗盦(1916~2007)の8歳年上ということになります。上京して、石井雙石に師事して篆刻を学び、戦後、毎日書道展運営委員、日展審査員などをつとめます。日本刻字協会の設立に加わり、のちに会長になっています。3顆とも、極めて多くの依頼印を制作した香石の仕事の一部に過ぎません。香石没後出版された『内藤香石遺作集』(七澤象聲編 昭和63年)に詳しく見ることができます。一印に千字文を刻した大作は圧巻です。
    ①、②等は一字印なので名前や雅号の一字が一致すれば使えます。


    ―台湾の印材事情―
    前回に関連して印材にまつわる記事です。
    昨年末、台湾に5日間滞在する機会がありました。冷え込んだ東京とは対照的に温暖な台湾は、シャツ1枚で過ごせます。今回は筆者が見た、印材事情をレポートします。
    台北市内には書道用品店が多く集まる場所があり、印材を中心に商品を扱う「印材店」も複数あります。これは日本ではほとんど見られない特徴であり、印材、篆刻に対する文化的な意識の高さを感じます。それだけ需要があるともいえるのでしょう。
    台北を中心に数店舗を経営する「蕙風堂」、「友生昌」や師大路にある「美玉堂」、台北駅近くの「小書齋」、中山区沅陵街にある「點石齋圖章店」等を今回は見てまわりました。
    美玉堂の印材はタイから入ってくるといわれる「泰來石」とラオスが原産地の「老撾石」が席巻しており、大部分を占めていました。店の方曰く、「泰來石、老撾石はこの数年で一気に台湾に入ってきた。石のヒビがほとんど無く、刻しやすいよ!」とのこと。中国国内から採れる寿山石(福建省産出)や青田石(浙江省産出)は高騰していて少ない印象でした。東南アジアに大きく広がりつつある印材ルートを垣間見た気がしました。

    掲載の美玉堂の看板は篆書で書かれており、多くの書道用品店を始めとしてお店の看板は筆文字です。これは書道が生活に密接に関係している証であり、文化の魅力を感じます。滞在したホテルの近くを散歩していた時に、偶々見つけた點石齋圖章店は、77年の歴史がある印章店で、その店の主人から寿山石の一種である「荔枝凍」の小材を2本お土産に買いました。
    墨州院諸賢で台湾をまだ訪れていない方、機会が有れば是非今回紹介した店を訪れてみて下さい。

      

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