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ニュースサムネ

2017.10.06  現代ビジネス(287日前)

世界に羽ばたく日本人の国民食「カレー」 、その進化の最前線を追う

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カレー店チェーン「CoCo壱番屋」イギリス進出のニュースを聞いた途端に「期待」と「心配」のふたつの感情が頭をよぎりました。それはイギリス人の日本食に対する愛情と日本人が海外の日本食に求める野心の度合いに温度差があると感じているからです。

イギリスでは、庶民系スーパーでカツカレーが普通に売られています(https://goo.gl/ExNeZP)、メイン通りにはWASABI(https://wasabi.uk.com/)やKOKORO(http://kokorouk.com/)などの日本食店では立ち並び、カツカレーが人気メニュー。今やスシやテンプラ並みに知名度が上がっています。甘いインドカレーの代表格「チキンコルマ(Chicken Korma)」がイギリスで開発されたように、スパイスなしの甘めカレーはイギリスでも人気です。今まで日本風のカレーは「中華風カレー」として中華TAKE AWAY(お持ち帰り)専門店でしか購入できなかった為、この急成長ぶりには目を見張ります。

私の舌はすでに「イギリス人化」しているので、日本人が海外の日本食に求める「本物志向」つまり厳しい基準やスタンダードを求める気持ちがよくわかりません。日本で食されている本物の味を持ってくるよりもイギリスで求められる日本食を提供する方がビジネス的には成功するのではないかと思っているからです。先に仕事でご一緒した日本の酪農関連のお客様のこんな言葉が強く心に残っています「日本食レストラン認定証のようなものを発行した場合、伝統は守れるが(アメリカのカルフォルニア巻きのような)クリエイティブな化学反応は起きなくなってしまう。結果日本食自体がつまらなくなってしまうだろう」と。

日本の大手カレー店舗がイギリスに来てくれることは大変嬉しく感じ、私も日本に帰ると必ずココイチに立ち寄るファンの一人で、確実に支持派となることでしょう。

ただしイギリス人は日本人が思うほどに、「日本食」にこだわりを感じていません。日本食レストランに行けば、ラーメン、焼き鳥、餃子、カツ丼、うな重など日本では専門店に行かないと食べれないものが、ファミリーレストランのような感覚で食すことができます。経営者も日本人でないことがほとんど。逆にその方が「日本食」というカテゴリーにとらわれず「何でもあり」的な感じが在英日本人にとっても新鮮です。果たしてココイチが「カレー専門店」とオープンした場合、カレーを食べるためだけにそこに通う人が果たして何人いるのか心配です。

かつてマクドナルドが「照り焼きバーガー」を日本限定発売したように、ココイチ側もイギリス食文化に歩み寄っていただいて、例えばウェールズでは有名なチップス(太いフライドポテト)にカレーソースをつけて出したり、カツの代わりに(フィッシュ&チップスの)フィッシュ(魚フライ)を載せたりなどすれば面白いのかなと考えたりしています。